41年目のランドセル
誕生日でした。
私は大人になってから誕生日プレゼントなどをねだらない人間で、両親も毎回「お前はつまらない」と言っていました。欲しいものだらけなのですが、せっかく誕生日という極上のプレゼントをもらえる時にはそう簡単に手に入らないものをねだりたくて、考えるとそういうものはあまりないのです。
・長く使えるもの(できれば一生使えるもの)
・記念にふさわしいもの
・だけど出番はしょっちゅうあって比較的身近なもの
選考基準はこんな感じなので、電化製品とか洋服とかは自然に外れてしまうのです。高けりゃいいってもんでもないわけ。必然的にアクセサリーが多くなるのですが、これまで誕生日におねだりしたもので自分自身良い選考だったと思うのは20歳の時にもらった象牙の印鑑(実印と銀行印)かな。銀行や郵便局で出すと立派な印鑑ですねって言われる。
3年前には父からの最期の贈り物となったゴローの登山靴。
母と3人でお店でオーダーしたことも思い出になりました。登山中に「ゴローの靴だね、素敵だね」と年配のおじさまに声をかけられることもあり、とても誇らしい。父と一緒に山を登っている気持ちにもなれたりもします。
今年も母に何か買ってあげるから決めろと言われ、ウンウン唸った結果、これになりました。
背中側はこちら。
ランドセル。買ってもらいました。
HERZ(ヘルツ)の本店で出会ったサンプルランドセルで決めてしまいました。
もともとは土屋鞄製作所の大人ランドセルを見ていいなあと思ったのですが、なんせ高い。10万。無理でしょ、そんなのもったいなくて背負えない。実店舗でサンプルも見ました。店自体が入るのを躊躇するような高級な感じ。店員さんも親切で、実物も素敵でした。薄くて、ランドセルというよりも、陸軍の兵隊さんが背負っていたような「背嚢」っぽい感じ。ただ薄い。荷物入らなさそうな感じだ。Webで色々調べるとちょっとマイナスの評価もあったりして、かっこいいけどなあ、私向きではないなあと思いつつ、他をあたってみる。
私が大人のランドセルに求めたのは……
・縦型
・総かぶせであること(Herzの現行ランドセルは半分のかぶせ)
・かぶせの留め具は一つであること(二つだと留める手間が一つ増えるし、ランドセルっぽくないから)
・背中部分とショルダーベルトがふっくらプカプカで処理されていること(私の中のランドセルはこれじゃなきゃただのリュック)
・できればリーズナブルなお値段
……Herzにはガロンリュックという大人向けの定番リュックがあって、悩み抜いてこのガロンリュックか、半かぶせだけどHerzランドセルにしようかと心が動いたところ、店員さんがサンプル品だけどこんなのありますよ、と出してきてくれたのがこのランドセルでした。
「!」一目惚れ。お値段も土屋鞄製作所さんの大人ランドセルよりずーっとお求めやすく半値を大きく下回った設定(サンプルだからね)。背中もショルダーベルトもプカプカ。赤と黒もあったんだけどサンプルだから微妙に作りが違っていて、背負ってみるとランドセル度が高すぎて断念。この子を受け取って帰ってきました。
とはいえ、ちょっと背負って外出るのは勇気要りますわ。でも使うけどね。基本的に子供のランドセルのサンプルに作られたものなのでプカプカのショルダーストラップはちょっと短めなのですが、大事に使って色が濃く変わって行くのを見ていこうと思います。
お母さん、ありがとうございます。お父さんも「ぅお?いいの持ってんなぁ」って笑ってると思う。こういう個性的なの好きな人だったから。
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