つれづれに

小さな子供は生まれる前の記憶を残しているらしい。そのことを自分の子供が小さな時に尋ねてみた友人からの話は「この空間の全てが自分（自分が散り散りなのか……イメージがわかないが）で、ある時にその ”空間全ての自分” がお母さんのお腹の中にすーっと入って今の自分になった」と言ったそうだ。その話を時々考える。
心理学などという学問を学んだことは無い。オカルト的なトンデモ話は大好きだ。若い頃のようにそうかぁと信じたりという事もない。これまで短い時間だが人間をやって来て、生きる意味だの生まれる意味だのを真面目に考えることはたくさんあった。たぶんこれからもそう考えようとする場面はきっとあるだろう。
ここ2年くらいは、生きるとか生まれる事の意味すら無いんだろうと思う事が出てきた。これは自分の中で芽生えた新しい心理。センチメンタルでネガティブな性格が根本なので、そういう「意味」が無かったら生きていくのが辛過ぎると考えていたから意味付けがしたかったのだろう。今や最期が具体的に見えてきた年齢だ。理系的な思考が全くないので量子力学、宗教学、スピリチュアルの関連なんぞ考えたこともないし、考えることもたぶんないだろう。それらが繋がろうが繋がるまいが、まずは自分が自分の存在を認めて受け入れることの方が大事なことに、ようやく気づけたのかもしれない。私は今も自分自身の存在を受け入れていないのだと思う。
今年の半分が終わる晦日の本日、つれづれに。