「椰子の実」の秘めたるパワー
こっそり更新しているドライブページとかぶる内容ですみません。
伊勢への夏旅でもいろいろ想う所がありましたが、行きに利用した伊勢湾フェリーの乗船場でもある伊良湖岬はとっても素敵な場所でした。
本当は少し散策したかったのですが時間がなかったので通っただけで残念です。童謡の「椰子の実」の舞台になった所なんですね。
同行したネオさんは「椰子の実」の歌を知らないそうです。
現代語訳についてはこのページがわかりやすいかな。
Wikiで見るとこの詩の元となった経験をしたのは学生時代の柳田國男で、ご存知の通り「遠野物語」で有名な民俗学者です。帝大時代に友人 島崎藤村に伊良湖岬に滞在中に出会った椰子の実の話をし、藤村がその話をもとに詩にしたというのです。自分は、椰子の実がぷかぷかと波間を漂ってずっと遠くから流れ着いたのを想う主人公の心情までしか解釈できていなかったのです。というより詩の最後までを知らなかったのですけど、この歌はその先、最後の一節
『思いやる八重の汐々 いずれの日にか故国(くに)に帰らん』
ここが重要ポイントだったのですね。
全部ひっくるめると、それまでの時間に疲れ果てた主人公が旅先で滞在した場所で回復しつつあるときに流れ着いた椰子の実に出会う。その実が経験したであろう時間を思い、自分の気持ちと重ね合わせて勇気を出すという内容であり、また故郷を思い、故郷に帰ろう、帰って頑張ろうというようにも読めます。
伊良湖岬は通った道から眺めるだけでも日本とは思えないような風光明媚な場所でした。いろいろなことに心身共に疲れた人がそれを癒すにはもってこいな場所。向かいにはお伊勢様が鎮座しています。そこに遠い南から旅して来たであろう椰子の実が流れ着いて出会う……ゆったりとした曲ではありますが、実は衝撃的な出会いなんだわ。そして土地から癒されて来た主人公は決定的なパワーを得るきっかけをこの椰子の実からもらうわけです。凄いぞ「椰子の実」!
何を言いたかったのか、書いている途中でよくわからなくなってしまったのですが、なんというか3・11の後にいろんな歌が歌われて来てましたけど、時間が経過した今、自分が3・11の経験をひっくるめて一番推薦したい元気が出る曲は「椰子の実」。
疲れ切った人が「やるぞぉッ!」となるきっかけはいろんなところにあって、それを見つけられるかどうかにかかっている。肉体的に疲れたら横になって休む事は必要だけど、部屋に引きこもってばかりだとせっかくのチャンスの多くに出会えない。寝ていてもチャンスを逃さないようにするには気持ちだけは殺さないようにしないとならない。
グダグダ言いながらも頑張らないと。キツくても時間がかかっても一歩足を踏み出せば頂上に一歩近づく。そして上を目指すだけでなくて、その足元に綺麗な花があるかもしれないことも忘れないようにしないとね。
若い人にはこういう「椰子の実」が受け入れられるようですが、昭和な私は先の動画の方が好きだ。
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コメント
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こんにちは。
伊良湖岬に行かれたのですね。
渥美半島と向かい合わせになっている知多半島で20年以上勉強と仕事をしていたので、伊良湖も合宿やなんかで何度か訪れたことがあり、懐かしい場所です。
「椰子の実」なかなか含蓄がありますね。歌は中学の頃、音楽の授業で習ったような気がしていますが、今も教科書に出ているのでしょうかねぇ。
ところで、伊良湖は温室マスクメロンが有名で美味しいんですけど、さらさんは召し上がりましたか?
投稿: よっぽ | 2012年7月28日 (土) 10時49分
よっぽさん、こんにちは。
ふふふ、メロン、たべました!
実は私メロンはそれほど好きじゃないんですけどビックリする程甘くて柔らかくて美味しかったです。伊良湖岬は行きに寄ったのでせわしなく通り抜けてしまったのが残念でなりません。クルマの中から綺麗だねと叫びながら走りましたよ。中部地方は長野ばかりに行っていたので、今回の旅はいろいろ真新しいものにたくさん出会えました。
このエントリを書きながら愛知県に縁のある友人知人を思い浮かべていましたが、よっぽさんもその中に入っていたので、こんな勝手に書散らしたエントリにコメント頂けて嬉しかったです。
投稿: さら | 2012年7月28日 (土) 11時15分