虹色のリンゴ
超アナログ人間な私が今の会社にいられるのはMacを使うようになったからです。でも本当のところはコンピュータはそれほど好きじゃないし、ひとつの道具としか考えていません。今の世の中、メールやWeb閲覧が出来ないと生活に支障がでるし、好きな写真加工やら絵を描くにもコンピュータを使えばいままで出来なかった凄い技を簡単に使える……その為の道具がコンピュータであると基本的には位置づけているのです。でも道具を愛したいというのも信条のひとつ。前置き長くなりましたが、従って私はApple製品が好きです。美しい外観とインターフェイス、体の一部のように出来る操作性。起動すると誕生日やお正月をお祝いしてくれるいたずらっぽさ……これはOS9までですが。そうそう、OS9。しょっちゅう止ったり起動できなくなったOS9時代。富士山とおひさまマークの漢字Talkの頃、懐かしい。
Windowsマシンは愛せないのだ。融通の利かない堅物は自分の相棒には適さない。なによりあの毒々しい画面のカラーリングが受け入れられない(最近はかなりマシになったけど)。Windowsを熱狂的に愛す方々ごめんなさい。
初めてSE30を触った時の気持ちを私は今も大切にしている。あまりにも簡単に操作が出来るのに感激したのだった。これなら私のようなアナログ人間にもコンピュータの最低限の操作は可能だと思った。この気持ちは今の自分を支える大きな柱になっている。操作が難しいと相談してくるお客様には「少しだけ大変だと思うけどすぐに慣れて簡単に操作できますよ」と自信を持って言えるのはこのときの感覚を今も大切にしているから。
私にとってのSteve Jobsはそういう素敵なマシンを作った人、という印象が最も強いのです。それ以降の素晴らしい業績や、感動的なプレゼンテーションも印象的ですが、なによりも万人が気軽に触れて親しみやすいコンピュータを創った人という偉人でした。それから膵臓がんという大病を患い、復活してなお精力的に仕事をし続けているという人生も、ナーバスな時の自分にとっては希望であり、尊敬であり、彼の体調が今後もずっと安定していますようにという願いでもありました。特に最近の体調不良の様子や痩せた姿には一人の人間として、どうか体調が上向きになりますようにと願わずにはいられませんでした。がんという病を近しい人や本人が患った事があるならば、彼の状態がどれほどだったのか、あの痩せた姿を見て、肝臓移植をしたということで容易に想像できるでしょう。
Steve Jobsの凄さは製品や数字、数々の逸話でこれからも紹介され評価される事でしょう。ただ、そんな数字や評価に現れない、ちっちゃなことですが、ここに彼の生み出した製品に触れて、考え方に変化をもたらされて、生業に影響を与えられた人間がいるということです。そして同じように暮らしに変化をもたらされた人が世界中に数えきれないほどいる。真のJobsの凄さはこれなのです。きっとまだまだ彼の頭のなかには、私たちの生活に凄い変化をあたえるアイデアがいっぱい詰まっていたのでしょう。それを実現できず残念に思っているのでしょうか? でも肉体が動く限界まで生き抜いたのですから、天国で我々凡人の凡庸な暮らしぶりを「高みの見物」していてください。
リンゴを片手にジーンズに黒いシャツで虹の橋を渡ったのでしょうか。
どうか安らかに。
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