夜の郵便局にて
冬休みに突入した夜。郵便局の時間外窓口に野暮用があって出かけました。
先客が1名、局員の方に何か言ってる模様。
「インクジェット用ハガキと普通のハガキって印刷するとそんなに違うの?!」
多少いらついたような声色。困ったような局員が綺麗なはずですがとしどろもどろ。
「刷っても汚いんだよ。ほら、こんなだよ」
しばらく待っていたのですが、言われている局員がだんだん気の毒になってきたので、しゃしゃり出るようで嫌だなと思いつつ
「印刷する時にインクジェット用のモードを選んでます? 明らかにインクジェット用のハガキの方が仕上りが綺麗ですよ、私、仕事がパソコン関連なんで……すみません」
と口を挟んでしまいました。
振り返った男性は「そんなモードがパソコン側にあるんですか? それにしたって、ほら、こんなになって刷れるんです」と私にハガキを見せたのですが、そこにはほとんど真っ黄色に近い印字が。
「あ、これはプリンタの問題ですよ。インクが全色出てないから黄色味ばかりになってるんです」
「私、機械のことは全然分らないんで、妻がやってるんです。でもインクも変えたんですよぉ」
「ノズルが詰まってるんだと思います。マニュアルの中に必ず『困った時には』という項目がありますから、そこを読んで『仕上りが綺麗じゃない場合』的な内容のところにある対処を手順を追って試してみてください。少なくともハガキのせいじゃないので」
その方は書き損じた(刷り損じた?)ハガキを新しいインクジェット用ハガキに交換して帰って行きました。
私も局員の方に用事をお願いした後に「良いお年をお迎えください」と言葉を交わして帰ってきました。
人の表現方法は様々なんだなと思いました。印刷が汚いと後ろで聞いた時、印字がかすれるような感じか荒い感じを想像していたのですが、そこには「色味が違う」印刷物がありました。誰かの感情、表現力のフィルターを通すと、言葉は変化し、受け手は全然違う事を想像することがあると改めて思いました。また、知らない事は思わぬところに余波が出るものだとも思いました。まさかプリンタのノズル詰まりで夜間待機している郵便局員の方にとばっちりが行くなんて、不思議であり、物事の関係する複雑さのひとつを見たような気がしました。
何かに遭遇した時、どのように想像し調べて確定し実行するか、自分の知識をどう生かすか。想像がなければ何も生まれないと思うし、想像だけでは確かさに欠け、途端に妄想になってしまう。確かな知識を持っていても勇気がなければそれを発揮する事はできないんだなぁとボンヤリ思いました。
今年最後の気づきかな?
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