平日の電車にて
先日、定期外来で病院に行こうと地元駅から電車に乗ったら、高校時代の元カレ A君が乗ってた。白いワイシャツにノーネクタイで、傘を持って座ってた。
乗った車両を突っ切って隣の車両に移動した時に前を通って、すぐ判ったけど、なんか声をかけそびれた。ガラガラの電車だから隣の車両に移ってからも、窓越しに姿が遠目で確認できて気になった。今の私のウチのそばに住んでるわけじゃなく、仕事かなにかでこっちに来たんだろう。まあ、私も実家からそんなに離れたところに住んでる訳ではないから、彼もこの辺りは生活圏内だし。
今から考えれば、カレでした〜と言えないほど純愛だったよ、プラトニック〜(笑)。
幼なじみで、小学生時代からみんなで一緒に遊んでいたA君。カレに昇格する以前から良い思い出がいっぱいある。高校に進学してから何となく付き合うようになって、浪人時代は一度も会わずに互いの勉強に打ち込んで、結局向こうは合格したのに志望校じゃないからとかでニ浪を決めたから、その時にカレ、カノジョっていうのは御破算にしたのだった。
電車に揺られながら、A君と最後に偶然会ったときの事を考えて、ああそうだ、親知らずを抜いた直後に会ってしまい嫌だったなあ……と思い出した。親知らずを抜かれて顔が腫れて変形してたのに、消毒で病院に行こうとバスに乗ったら、A君が可愛い女の子とバスに乗っていたのだ。とことん無口で笑顔もあまり見せない寡黙な人が、女の子に笑ってて、ほっぺた突つかれたりしてて驚愕したのだった。
焼きもちとかではないけど、こちらは顔変形してたから、さすがに嫌な気分だった。あの再会も、もう10年以上前になるんだわ。
今回、もしどちらかが声をかけたら、目的の駅までの10分の間にどんな話をするのか? おそらく寡黙なA君はほとんど何も話さず、こっちも最初はいくつか質問をするけど、途切れて間が空いて、なんとなくバツが悪くなって、ガタゴトという音を聞きながら駅に着いてしまったんだろうな。
ああ、そうだ。
高校生の時だって、学校が違う私達は折角一緒の電車に乗っても、話が弾まずに沈黙したままで、先に降りる私の目的の駅に着いてしまった。沈黙には電車のガタゴト音は妙に耳にうるさかった。楽しそうに話が延々と続く人達が羨ましかったよ。こんなのはカレじゃない気がするな〜って思ってた。
ウチの母は時々商店街でA君のお母さんと会うらしい。まだ独身だとか……あのほっぺツンツンの女の子はどうしたんだろ? やっぱり無愛想なA君に耐えられなかったか? そうだろそうだろ、間が持たないもんね、ウンウン。でも優しいところもるのよね、わかるでしょ、一緒にいれば……などと考えていたら目的地到着。
いつの間にか混んでいた電車から乗客が一斉に降りたから、A君が改札を抜けたのか乗り換えたのかなんて判らなくなった。
詰め襟、金ボタンのガクラン姿のA君とあまり変わらなかったけど、ちょっとお父さんに似てきたように見えた(A君のお父さんはPTAの会長をしていたので、顔を良く覚えている)。
マイペースで、無口で、ちょっと変わり者で、成績超優秀だったA君。
またほっぺツンツンしてくれるような、可愛い女の子を連れてる時に逢いたい。
その時は間違いなく声をかけて、狼狽するA君の顔が見たいと思っている。
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