残夏
自室のあるマンションから駅までの間、あるお宅の木の葉にとまっていた抜け殻。
秋の日差しを受けて、ぴかぴか光っていました。
背中の裂け目から抜け出て行った主は、おそらくもうこの世にはいない。
置き去りにされたはずの抜け殻が、なんだか生気を帯びていて生々しく見えた。
腱鞘炎の診察を終えて、すぐ近くの川崎大師に久しぶりにお参りに行ってみた。
秋の川崎大師 平間寺。気まぐれ散歩……。
三連休最初のお休み。
川崎大師には七五三で晴れ着を来たご家族たくさんいらしていました。
あまりにも近いお大師様。近すぎて足が遠のいていました。
多分1年近く来ていない。
ちょうど本堂でお坊さんが説法をされているところでした。特定の信仰を持たない私ですが、「祈りの場」で心を鎮める行為がとても好きです。信者以外の者でも入室が許されるなら、教会でも神社でも、その場でしばらく目を閉じてお祈りをさせていただく事にしています。どうぞと言われたので、靴を脱いで私もお話を聞く事にしました。お話が終わるとそのまま勤行、ご祈祷となり、手を合わせお経を聞き、数年振りに御宝号「南無大師遍照金剛」と唱えました。
(私が通った大学は仏教系で、入学して最初のオリエンテーションは増上寺などのお寺に行った後に、ここ川崎大師に連れてこられました……。)
大勢のお坊さんの読経を聞きながら、全く面識の無い多くの人たちと一緒に祈り、御宝号を唱えて、護摩を焚く炎を見ていたら、自分でも不思議なほどに心が休まって「世界中が穏やかで幸せでありますように」なんて、路地裏の看板みたいなチープでディープなお願いをつぶやいたりしていました。
それくらい清らかな気持ちになる時間。
その後、本堂の奥にある仏様にも手を合わせてきました。
こちらにある仏様には、10年ごとに行われる「大開帳奉修」の時にもお参りした事がありました。お不動様や観音様、愛染明王様などがいらっしゃいますが、
開祖・平間兼乗(ひらまかねのり)像は目を引きます。仏様というより、絵本
浦島太郎の挿絵のような格好のおじいさんです。無実の罪で流されて漁師として暮らしていたので、あのような姿なのでしょう。この兼乗の網で光り輝く弘法大師の木像が引き上げられ、それがご本尊となりました。引き上げられた場所は「夜光(やこう)」という地名となっています。現在は埋め立てられた工場地帯で
すけど。
自分でも不思議なくらいに心安らかになった、1時間にも満たないお散歩でした。
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