平湯・上高地の旅 1
5月24日から二泊三日で両親と平湯・上高地に出かけました。
旅自体は天気が思わしくなかった事を除けば素晴らしかったのですが、父が出発の時から腰痛が出て旅行中に悪化。現在も痛みが引かない状況で……なんというか、正直後味の悪い物になってしまっています。
早く良くなって欲しいけど、坐骨神経痛らしく、そう簡単には治らないようです。
行かなきゃ良かったかなあ、と悲しい気分で実はいっぱい。
とは言え、素晴らしい景色に出会う事もできたので、少しご紹介。
お昼頃に松本に到着した私たち。
足腰が痛いという父には松本城に登るのは無理なので、開智学校へ。
父はこの建物がことのほか懐かしく感じたようで、随分とゆっくり見学してました。
開智学校を出る頃から雨模様になり、この後はずっと本降り……。
午後2時頃、一路、岐阜県平湯に向かいました。この日の宿は平湯温泉郷にある平湯館。
松本から約90分の道のりです。
途中までは乗鞍に行った時と同じコースなので見た事のある景色でしたが、奈川渡ダムを超えて乗鞍との分岐を過ぎた辺りから、梓川の向こうにある山肌がかなり険しくなりました。
崩落の跡が続いていて、ちょっと怖くなりました。
運転していたので当然写真はありません。
上高地へのゲートである釜トンネルの前を通り、岐阜県との県境である安房トンネルをくぐれば、そこはもう岐阜県です。
平湯温泉は、このトンネルからすぐなので、上高地へのアクセスはかなり楽です。私は長野県側からのアクセスはした事が無いので比較はできませんけど、また上高地に行くチャンスがあったとしても、このアクセス方法にしようと思ってます。
安房トンネルを抜けるとすぐに槍ヶ岳が見えました。岐阜県側は雨が少しの間止んで雲が切れたのです。一瞬の光景でしたが、車中の両親も私も歓声を上げました。
しかし、このあとは岐阜県側もずっと本降りになり、宿からの眺めも雲の中。
このお宿の温泉は、日本温泉遺産を守る会から「温泉遺産」の指定を受けているようでした。
お湯は鉄分を含んでいるようで、湯の花も茶色でしたが、とてもいいお湯でした。次の日の朝に入った大露天風呂はビックリするくらい大きかった。雨がかなり降っていたので長湯しませんでしたが、晴れていたらずっと浸かっていたい露天風呂でしたね。
夕食は和食。
イワナの塩焼きも絶品だったけど、飛騨牛のしゃぶしゃぶがとろけるおいしさ!
「あと3倍は食べたいな」と密かに考えていたら、父はしっかり追加注文。
翌朝。
朝食はブッフェスタイルが多い中、平湯館では一人一人のお膳が供されました。珍しい。
お味もなかなかでした。
宿はまた泊まってもいいかなという感じでした。スタッフの人数が少なかったかな? とても忙しそうで、声をかけても捕まりにくいということもありました。でもとても明るくて親切できびきびと働いていらっしゃって、気持ちよく滞在する事ができました。
チェックアウトし、岐阜県側でお土産を購入できるタイミングがもう無いので、上高地に移動する前にお土産屋さん物色。上高地行きのバスターミナルでもある「アルプス街道 平湯」へ。各自がそれぞれお土産をどんどん選んで購入しました。
そのあとまたクルマに乗り込み、マイカー規制のためレンタカーを今夜1泊「あかんだな駐車場」へ停めるため移動。「アルプス街道 平湯」から5分くらいのところにあります。
この駐車場がまた凄い。
山一つ分が駐車場になっているの。とにかく広い。この駐車場そのものも遊歩道が通っていて森林浴ができるようになっている。上高地行きのバスもここから乗れる(時間帯や曜日によっては乗り換えあり)。そのバスの待合所もとても綺麗。ログハウスで、中に入ると木のいい香りがして清々しいです。
上高地行きのバスに乗り換えるために歩く両親。
奥にあるのが待合所。広くて立派な建物です。
必要な物だけを持って、あとはクルマに積んで置いて行きます。
天気は全くよくなる気配の無いまま、上高地への移動です。
バスは昨日来た道を戻り安房トンネルを抜け、いよいよ上高地へのゲートをくぐるのでした。
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文章にキレが無くて済みません。
冒頭に書いた通り、この旅行中から父が歩けないほどの痛みが出ているもので、後悔の気分があって、さえない内容になっています。
それを差し引いても、前半の旅行は天気があまりにも悪すぎました。ここに書いていないアクシデントもあったりして、ちょっぴりついてない旅行だったのです。
最終日は驚くほど晴れたのでプラマイゼロなのですけど。
ところで、文中に出て来た「安房トンネル(あぼうとんねる)」ですが、18年に及ぶ難工事を経て開通した大変立派なトンネルです。
トンネルの話を書くと、膨大な文章に成るのでここでは割愛いたしますが、是非ともこの安房トンネルに付いてご紹介したく、下にリンクを張っておきます。
開通までの苦難を知らなければ、単なるトンネルとして5分で過ぎてしまう道のりです。しかしトンネルが開通するまで岐阜県側に行くにはつづら折の安房峠を超えなければならず、渋滞すれば峠を越えるのに5時間以上かかったそうです。トンネルはもろい岩盤と湧き水、そして焼岳の有毒ガス区間のすぐそばを通すという工事で、工事中に水蒸気爆発も発生。作業員の方々が亡くなるという事故もあったそうです。こうした苦労の上にできたトンネルについても是非知ってもらいたいと思います。
飛騨総合ポータルサイト「世紀の大プロジェクト 安房トンネル」
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安房トンネル。
「ツール・ド・のと」に参加するために何度か通りました。
そして、リンク先のサイトでの説明で、壮大な計画と難工事という、わくわくしそうなプロジェクトXレベルのドラマが繰り広げられたことを知りました。私の好きな「高熱隧道」も引き合いに出されていましたね。
安房峠もクルマで走り、いつか自転車でパスしよう!と、仲間と話をしたものの、誰もプランしようとしません。とんでもない峠ですね。
トンネル開通のありがたさを感じるには、自転車で越えるのが一番かもしれません。
投稿: 宇助坊 | 2008年6月 5日 (木) 23時05分
>宇助坊さん、こんばんは。
自転車で安房峠越えですか。大変そうです。バイクでも気を遣う峠と聞いています。私たちが行った時も確か通行止めだったような。とにかく積雪が凄くて冬の間は完全封鎖みたいです。
北海道の三国峠に行った時も、こんな凄い山並みに立派な道路が通っているなんてと感激しました。自然の力強さを眺め、同時にそれに真っ向から挑んで通した道路を見ると人の力強さも一緒に感じられます。
そんな旅の楽しみ方もなかなか良い物です。
投稿: 更紗 | 2008年6月 6日 (金) 00時42分