キンコンカンコン日帰りドライブ
両親が金婚式を迎えました。
50年かぁ、凄いな。
独身の私には絶対にやってこない金婚式だよ!
……というわけで、お祝いの意味を込め、土曜日は食事に出かけました。
本当は1泊旅行くらいしたかったのですが、なんだか自分の事で精一杯で、企画内容考えはじめたのが一週間前……無理だわな。電話かけまくったらキャンセル出てたのかもしれんが、どこ調べても予約いっぱいで、仕事終わって調べるから予約はネットが主体になる訳でそれもできず、というか気力がなく、結局箱根にお食事&日帰り温泉になりました。
私はギリギリ倹約生活の小市民のくせに、クラシックホテルに泊まるのが大好きで、これまで清水の舞台から飛び降りる思いで、万平ホテル、奈良ホテルに泊まりました。横浜のホテルニューグランドや東京ステーションホテルは、あまりにも近いので泊まった事はないけど、喫茶や軽食、バーなどで利用して雰囲気を味わっています。
人によっては堅苦しくて嫌!という人もいるみたいですが、クラシックホテルの方がダイニングで頂くディナーなどはむしろフレンドリーで肩肘張らず食べられる事の方が多かったです。
……といっても新しくできた高級ホテルに泊まった事無いから、ちゃんとした比較ではないの
ですけど。あくまで個人的見解。
母が「日光にいきたいわ〜」と良く言っているので、次は日光金谷ホテルに泊まりたいぞ〜と目論んでいましたが、金谷ホテルより一足先に、今回、箱根 富士屋ホテルのランチで利用を決定!
神奈川県民ですので、もちろん箱根 富士屋ホテルの存在は知っていましたが、前を走る国道1号線の渋滞or蛇行とスピードに圧倒されて、いつも「あ〜……過ぎちゃった」と眺めるだけで終わっていました。
ということで、今回は初訪問となった訳でございます。
まあ、外観は御殿? 竜宮城??
とにかく建物の装飾が凄いです。いい仕事してますね〜。
初めて敷地内に入って、クロークで「ランチを予約したんですけど、早く着いたので館内を見たいんです」と申し出ると、敷地内マップをくれました。広いから地図必要です。
しかし宿泊者以外だと立ち入り禁止エリアももちろんあり、今回はロビー、売店、温室などを見て回りました……温室だよ。しかも数棟ありました。
温泉の大浴場とかプールとかもあるらしい。見てみたかったけど、雨が結構降り出したのと、お昼の予約時間が迫って来たので、適当に切り上げました。
館内には随所に絵画や銅像が飾られ、柱とか手すりにも何気なく「もの凄い彫刻」がされていてビックリです。というかそこら中にそういった「凄い彫刻」がありすぎて、本当は全部シャッター切りたかったけど、林家パー子状態になってしまうので、我慢しました。
龍とか猿とか(蛇と対決中)、こんな風に普通にすぐそこにいる。
写真撮らなかったけど、柱に木彫りの超リアルなニワトリ彫られてとまっていたりした。
ちょうど表で結婚式が始まっていました。
雨脚が強くなった頃で少し気の毒。手前の係の女性も心配そうにお式を見守っていました。でも、花嫁さん、とっても美しかった……。
今日から始まる夫婦と、50年目の夫婦かあ……感慨深いです。
今回予約したのは、道路を挟んで建つ「菊華荘」で頂く和食です。
和食と言っても、メニューにはステーキもありました。お肉大好きな父はもちろんステーキ御膳、母は和食です。
食の好みドンピシャじゃない両親(苦笑)。
菊華荘は元々宮ノ下に立てられた、皇室のご用邸だったのです。
お庭も素晴らしくて、日本庭園の石段を上ると菊華荘を見下ろす事ができます。お食事の後に散策しましたが、父も母も息を切らして階段を上っていて……ああ、年を取ったんだなあって今更ながら思いました。
お庭の草木は花が咲き乱れてとても美しかったです。
水仙もまだ咲いていたし、ヤマツツジも見事でした。
そして東京では終わってしまった桜が、ちょうど見頃を迎えていました。
箱根、まだ寒いのです。早春という感じでした。
赤いミツマタって珍しいですよね。
お食事を満喫したあとは、クルマで20分ほど走った姥子温泉にある、日帰り温泉施設に行きました。スーパー銭湯のような施設ではもちろんありません。
それは、箱根で唯一現存する「湯治場」。
建物そのものも改築されてはいますが、昔のまま。歴史的にも価値のあるものなのです。
しかもこの温泉の目的は「療養のための施設」となっており、娯楽的なものは一切ありません。まさに湯治場そのままなのです。
(温泉が娯楽と言えばそれまでですが……。)
当然テレビもラジオもありません。
10室ほどの個室があり、4時間まで借りる事ができます。料金はひとり2300円からです。宿泊はできません。お部屋のグレードによって料金が変わるらしい。
お部屋には暖房器具と、浴衣、タオル、ポットと湯のみなどが用意されています。
療養目的の施設ですから、子供連れは厳禁、お酒の持ち込みももちろん厳禁。会議や接待での利用も禁止されています。
おまけに6人以上のグループ利用もできません。
お風呂は浸かるだけで洗い場がありません。従ってシャンプー、石けんが使えません。
どうしても使いたい人は、ひとり1000円増で家族風呂を借りれば使えます。
昔そのままの湯治場が現代にひっそりと佇んでいて、本当に癒されたい人だけがそこに集まって来ているのでした。
久々の静寂が包む空間。
せいぜい鳥の声くらいしか聞こえてきません。耳まで休まった気がします。
利用者も数人いましたが、それぞれが故意では無いのでしょうけど、あまり顔を合わせないようにしているのか、ほとんど会いませんでした。お風呂でもこちらが入ると出て行くみたいな感じです。
両親と私は浴衣に着替え、それぞれ勝手にお風呂に入ったり、うたた寝したり、富士屋ホテルで買って来たパンをつまみ食いしたり、お茶をすすったりして4時間を過ごしました。
箱根に来て、観光らしいものもせず、こんなにもくつろいだのは初めてです。
宿泊したとしても、お土産やを見たり、街を散策したりするでしょうけど、今回はせいぜい館内やお庭を散歩するくらいでした。
湯治場だった頃に使われていた炊事場が残されています。
もちろん今は使われていません。
お風呂は岩肌から温泉がしみ出してくるという珍しいものです。
といっても、温泉がしみ出すのは雨が降って6日ほど経った頃だけ。つまり天候に左右されやすい温泉なのです。この日も岩の間からは湧いてはおらず、ポンプでくみ上げたお湯でした。でも同じ成分の温泉ですよ。ただポンプで汲んでいるか自然に流れ出るのかだけの違いです。ご安心を。
昔は自然に湧きだすだけだったため、冬季や雨の少ない時期はお湯が湯船に無い時もあったらしいです。
このままの環境をできるだけ残して、大事に利用したい施設。
両親も「いまどき、こんな静かな場所が箱根に残っていたなんて……」と驚いていました。
詳しい場所は? 名称は?
書いた通り娯楽施設ではないし、私がブログで宣伝しなくても本当に興味のある方は、ここに書いてあるヒントで検索すればすぐにヒットしますよ。
あえて詳細は伏せておきます。
心身ともに本当に疲れている方は、是非検索して、行ってみてください。
ただし、心底温泉や自然が好きな人じゃないと満足しないと思います。ただ単にかけ流しだからひとッ風呂浴びてくか〜、みたいな理由で利用する通常の温泉とは一線を画しているからです。それだけはご注意を。数々の紹介文の中には「料金が高過ぎる」と書かれているページもいくつかありましたので。
たっぷりとお湯を楽しんで癒された私たちは、日が落ちる頃にこの施設を出て、帰路に着きました。日帰りのはずが、この4時間でなんだか宿泊して来た錯覚を起こしました(笑)。
海老名のパーキングで日常生活へのリハビリでラーメンを食べました。
味濃い〜って思いましたが、これはこれでなんだか凄くおいしく感じました。
両親のお祝いで出かけたつもりが、結局一番癒されたのは私だったりしてね。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
このたびはご両親さまの金婚式おめでとうございます。!!!
あなた様もよいお嬢様でよくなさって差し上げるのですね。
感心です。私も兄弟で北海道旅行をプレゼントしました。ものすごく喜んでくれまして旅で出会った方々とお友達になってその後も楽しくよく旅行をしていたようでした。遠い思い出になりましたが。
行かれたところかなりよき時代のただ住まいを感じました。風評に流されずにかたくなまでに当時のままにしておられる心意気を感じますね。
話は変わりますがお父様はお肉がお好きだとか。
わが父親も大好きでした。かなりの年までよくいただいておりましたよ。そしてお酒も。
またご旅行の楽しいことブログで拝見させてくださいね。東京におりました頃は夏休みなんかで箱根にも主人側の兄弟たちとお泊りもしたものです。ほんとうにおめでとうございました。
投稿: アコ | 2008年4月15日 (火) 00時36分
>アコ様、おはようございます。
ありがとうございます。
正直、半年くらい前からちゃんと企画してお祝いすれば良かったのですけど、毎日の生活に追われてしまい気づいたら数日後までに迫っていました。
両親のお祝いにかこつけて、私のほうが楽しんでましたね。
箱根は近すぎて、日帰りしてしまう事が多く(今回もそうだったのですけど)富士屋ホテルも外から眺めるだけだったので、お食事したのも初めてでした。50年よりずっと長く残っている施設をわざと選んでみたのです。
父はお酒もタバコもやりませんが、本当にお肉が好きです。年齢と体の事を考えるとどうかとも思うんですけど。本人が喜んでいるので良しとしてます……。
投稿: 更紗 | 2008年4月15日 (火) 06時32分