夏祭り
長兄が入所している施設で夏祭りがあるそうです。もう少し先の話なんですが出かけてみようかなあと思っています。
早いもので兄が入所してから1年と少しが経ちました。
入所が決まった時も、兄を送り出してからも、不安に思ったことが何度もありましたが、ようやく私も含め家族はこの環境に慣れてきたんだなあと感じます。はじめのうち母は毎日兄のもとへ、片道2時間くらいかかる道のりを出かけて行きました。私も「週末くらいは」と毎週母を乗せて出かけて行きました。父の体調が今ひとつだったりということもあったのですが、そのうち私が悪性腫瘍を再発し入院。体調が回復した父に運転をバトンタッチして、最近私はすっかり兄にご無沙汰です。
父の体調は最近では安定し、一人で運転して兄に会いに行くこともあるようです。もう高齢なので運転はちょっと、いやかなり心配なのですけどね……。
施設に行くと様々な人、家族と出会えます。いつもパワーにあふれていて、『健常者がほとんど』の日常だけを送る私(私たち)はそのパワーに触れると圧倒され、軽いめまいを感じるほどです。
たまに実家に行き、兄が元気だったかと訊ねると、兄や他のお友達の話を父も母も楽しそうに話してくれます。兄は生まれた時から歩くこともなく、会話をすることもありませんでした。意思の疎通らしきものは家族としてあっても、それは両親としてはとても残念なことに違いなかったと思っていました。兄が施設に入所する時も、入所した後も、その時々に感じる不安で、苦しくなることもありました。外野の私がそうなのですから、両親の不安はとてつもないものであったに違いありません。
でも、兄の入所によって、「まだぼけていられない!」とばかりに福祉の制度に深く目を向けるようになったり、他の障害児のご家族と交流する機会を得た両親をみるにつけ、とても活き活きとしていて、高齢になった両親にこんなチャンスを与えてくれた長兄は本当はとても親孝行なのかもしれないなあと思うのです。
父も母も、そして兄も、与えられた環境で精一杯生活を楽しんで欲しいなあと思うのです。
これから夏本番になります。両親の体調も考えて、しばらくぶりに施設までクルマを出そうと考える私です。
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「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
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コメント
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今日は暑かったね〜。
でも私は夏生まれのせいか、“うだる”ような暑さが好き。
お兄ちゃんは、やっぱり親孝行だね。
お父さんもお母さんも妹も、素敵な家族だね。
従妹のとこの優ちゃんは、左側は目も耳もなく、話すことも、歩くことも、食べることもできないけど、でも笑うととても美しい女の子なんだ。一度あったら愛さずにはいられない女の子だよ。
彼らも家族もそういうパワーを授かった選ばれた人なんだと思います。
投稿: あっきぃ | 2006年7月27日 (木) 23時19分
キャー!あっきぃさん、お久しぶりぶり。
都内リターン計画はどうなっていますか? 京都は毎日暑いのでしょうか。関東も暑いけど、まだ朝晩は涼しいから過ごしやすいです。私は季節の中では一番苦手ですけど、最近は肉体的に寒さのほうがしんどいことに気づいてきました。でもやっぱりあんまり好きになれないんだよね。
ハンディキャップに関してのコメントってとても難しいのね。本人や近くにいる人間はもうきれい事じゃなく、日常だから。でも日常だからこその美しさや力強さってあるとおもうの。それはたぶん健常者だっておなじ。毎日生きることそのものの凄さみたいな事に、もっと気づくべきかなと最近は思います。
飲みましょう! こちらに来るときはまた連絡ください。
投稿: 更紗 | 2006年7月29日 (土) 01時14分