エリザベス繋がり
「アメリカで理想の男性といえばスペンサーよ、私は意地悪いことを言ったり、彼をじらしたり、一杯食わせてみたり、女そのものを演じていたわ、でも、彼がホンキで怒ればすぐ降参だわ、、。男と女のロマンチックな理想の関係というのはこういうものなの」(キャサリン・ヘプバーン 〜Wikipediaより)
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』観て、ケイト・ブランシェットのこれまでの出演作なんかをみたら、「アビエイター」で女優 キャサリン・ヘプバーンを演じてアカデミー助演女優賞を受賞しているんだね。今回は主演、助演女優賞の両方にノミネートされていて、最初「え?どっちにノミネート?」ってちょっと意味が分からなかったくらい(笑)。
先日、コメントいただいたmarco様のレスにも書きましたけど、私が彼女の出演作で好きなのは、ジム・ジャームッシュ監督の「コーヒー&シガレッツ(COFFEE AND CIGARETTES)」です。楽しくて、シニカルな11のストーリー。毎回少数の登場人物が気の利いた会話が交わしてる、全編モノクロでお洒落な映画です。英語がちゃんとわかる人が観たらもっとおもしろいのかも。
冒頭の言葉ですが、ケイトが演じた「キャサリン・ヘプバーン」についてちょっと調べていたら行き当たった言葉。以前、淀川長治さんのエッセイで「日本でヘプバーンといえば、圧倒的にオードーリーが思い出されるが、私はキャサリン・ヘプバーンが好き」というような内容を読んだ事がありました。正直、私は彼女の名前を聞いてすぐに代表作が思い出せません。「若草物語」くらい。古いなあ。
家庭のある俳優 スペンサー・トレイシーを愛して、しかし生涯結婚せず、パートナーとして彼の最期の時まで過ごし、それでも彼の葬儀には「パートナー」でしかなかった自分の立場を考えて出席しなかったそうです。
エリザベス1世は国に生涯を捧げ、独りの女性としては生きなかった。そのエリザベスになり切ったケイトの私生活は、女優、妻、母をこなすスーパーレディ。そのスーパーレディが演じ、アカデミー賞の栄誉と賞賛を浴びたキャサリン・ヘプバーンの生涯は、女優として絶賛されながらも、独りの女性として表向きは日陰の身に徹していた……女の生き方として面白いなあと思ったエリザベス繋がりでした。
キャサリンが述べた「男と女のロマンチックな理想の関係」っていうのは、まさしくそうだなあと思う。彼女とスペンサー・トレイシーの本妻との関係も友好的だったようなので、キャサリン・ヘップバーンという人は真実賢い女性だったのだろう。……でもさ、やっぱり、本当は、彼の全部を自分だけ独り占めしたいと思っていた、と思いたい。少なくともそう思った時があった、と思いたい……賢いだけの女性よりも、ちょっぴりわがままで、強がりな女性の方が愛される、彼女の言葉から「そういう女」を演じる部分があったことはわかるけれど、本当の彼女にもそういう部分を持っていて、その気持ちを上手にごまかしていた……ってね。そういう生身の情熱的な彼女を内側に秘めて生き抜いた、それこそが彼女の魅力だったのでしょう。この真意はいずれ彼女の出演作を観て、的中しているかどうかを判断しましょう。
3/5 追記。
エリザベス繋がりと言うよりも、ケイト・ブランシェット繋がりですね。
この期に及んで、もう一度彼女のエリザベスっぶりを観たくなっている今日この頃。レディースデイにまた観に行こうかしらね。HPの動画や、エリザベスの歴史についてまとめられている「TIME LINE」を観てると、そんな気になってしまいます。
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